危険物貯蔵庫とは?必ず押さえておくべき保有空地など危険物貯蔵庫の基礎知識を解説します

このサイトでは、危険物貯蔵庫を保有空地に設置する場合に、必須となる基礎知識を幅広く紹介しています。
時には指定数量の10倍以上の危険物を保管する必要に迫られることもありますが、そんなときに抑えておきたいポイントなどは初心者の方でも理解しやすい説明を心掛けました。
付帯設備として設置することになる、採光設備や蒸気排出設備にもフィレているのでより実践的な内容となっています。
長期間保管しても危険が周囲に及ぶことがない姿勢が求められます。
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危険物貯蔵庫とは?必ず押さえておくべき保有空地など危険物貯蔵庫の基礎知識を解説します
- 危険物貯蔵庫は軒高さ6m未満で床面積1,000㎡以下の平屋などの構造的な基準がある
- 屋内型の危険物貯蔵庫の屋根は軽金属など不燃性材料を使用しなければならない
- 危険物貯蔵庫の窓は網入りガラスを使用する必要がある
- 危険物貯蔵庫の床は傾斜を設けておいて漏れた際に危険物をためることができる溜枡が必要
- 危険物貯蔵庫の危険物には6つの分類が行われている
- 危険物貯蔵庫近隣にある学校や病院などに対して保安距離の確保が必要
- 危険物貯蔵庫の延床面積は1,000㎡以下で貯蔵量に合わせた保有空地も考慮
- 危険物貯蔵庫に窓および出入口を設置する場合は防火設備としての機能が必要
- 危険物貯蔵庫の費用を抑えることができるテント倉庫とは?
危険物貯蔵庫とは?必ず押さえておくべき保有空地など危険物貯蔵庫の基礎知識を解説します
倉庫では数多くの種類が保管対象になります。
ある程度の期間、保管することも珍しくないのでなかには周囲に危険や危害が発生するリスクの存在することもあります。
例えばガソリンをはじめとした石油製品は、取り扱いを間違えることで大火災の発生につながりかねないリスクがあるわけです。
このような危険をもつものを保管する倉庫のことを危険物貯蔵庫といいます。
危険物貯蔵庫を保有空地に設置する場合は、危険性を内包するものを保管する場合にはたとえ自己所有の空き地でも法令上の許可を得る必要があります。
危険物貯蔵庫は軒高さ6m未満で床面積1,000㎡以下の平屋などの構造的な基準がある
危険物貯蔵庫は、火災や爆発などの可能性がある危険物を安全に貯蔵しておくための施設ですので、構造的な基準が設けられています。
具体的には危険物貯蔵庫は軒高さ6m未満で床面積が1000平方メートル以下、かつ平屋建てでなければなりません。
これらの条件はいずれも、あまりにも多量の危険物が一か所にまとまって保管されると、万が一災害が発生した場合には被害が甚大なことになるので、それを防ぐ意味合いがあります。
床面積と平屋でないといけないのは分かりやすく、二階建て以上では火災時の避難も難しくなりますし、面積が広いということはそれだけ大量に保管できるわけです。
軒高さはちょっと理解しにくいかもしれませんが、これも実質的には同じことで、平屋であっても高さがあまりにも高いと、それだけ多量の物品を積み上げて保管することができてしまいます。
それは災害時のリスクもありますし、平時であっても崩れたりする可能性を持つことになります。
屋内型の危険物貯蔵庫の屋根は軽金属など不燃性材料を使用しなければならない
危険物貯蔵庫は火災とか爆発のリスクがある危険物を安全に貯蔵するための施設ですので、様々な構造的な基準が設けられています。
屋根の材質もその一つであって、例えば軽金属などの不燃性材料を使用しなければなりません。
木造など燃える可能性のある材料は危険物貯蔵庫には使用できないわけです。
これはある意味で常識的なことと言えるでしょうが、万が一火災が発生したような場合、木造ではそれも含めて燃えてしまうことになり、被害が拡大するかもしれません。
それだけではなく、燃えることで崩れ落ちたりするかもしれず、内部に取り残された人とか消火活動をしている消防士たちにもより大きな被害をもたらす可能性があります。
このようなことから、確かに屋根は重さの点では軽いものを利用したい気持ちは分かるのですが、不燃性材料を使用することが決められています。
あまりに重くなると構造的に不利になるのは間違いありませんので、軽金属が使われることが多いです。
危険物貯蔵庫の窓は網入りガラスを使用する必要がある
危険物貯蔵庫とは、消防法で定められている危険物を貯蔵しておくための施設です。
火災や爆発などを起こし得る物質が危険物貯蔵庫の保管対象ですが、このような貯蔵庫の窓には網入りガラスを使用することが法令で定められています。
この理由は少し考えれば分かることですが、もし不幸にして爆発事故が起こった場合に、普通のガラスを利用していると鋭利な破片が周囲に飛散する可能性があります。
それによって大けがなどの被害が拡大するかもしれませんので、それを防ぐために網入りとすることが求められています。
網入りであっても、もちろん内部で爆発が発生した場合にはガラスが割れてしまうこと自体はほぼ避けようがありません。
ですが、大きくて鋭い破片が遠方にまで飛び散るようなことは大幅に減少させられます。
なお、危険物貯蔵庫はもちろん窓以外にもその構造とか設備についても様々な基準が設けられており、できるだけ危険性を減らせるようになっています。
危険物貯蔵庫の床は傾斜を設けておいて漏れた際に危険物をためることができる溜枡が必要
危険物貯蔵庫には決まった基準があり、まず建物は軒高6m未満・床面積1000㎡以下の平屋でないと駄目で2階以上の建物だと利用出来ません。
屋根も軽金属などの不燃性材料で天井を設置してはいけません。
これはもし爆発事故などが起きても爆風が屋根から抜けるようにするためで、梁・柱・床など剥き出しになる部材は鉄筋コンクリートなどの耐火構造などにする必要があります。
危険物が床材・地下へ浸透していかないような構造にしてから、傾斜をつけて零れてしまった危険物が貯まる溜枡も必要です。
窓ガラスは網入りなど強度が高い物を使います。
危険物貯蔵庫は、指定数量の十倍以上の危険物を保管する場合は避雷針の設置が必要で、引火点70℃未満の物は蒸気排出設備も欠かせません。
天井は、採光設備や照明を設置し、安全に取り扱うのに必要な明るさの確保も必須です。
屋内貯蔵庫はあくまで保管や取り扱いをする施設で、屋内だと危険な物を容器のまま販売する施設だと販売取扱書となり、消防法により様々な基準が定められてます。
危険物貯蔵庫の危険物には6つの分類が行われている
危険物貯蔵庫とはそもそも何なのか?聞いたことはあるけれどもあまり詳しくは知らない人も多いことでしょう。
そこでここでは分類を詳しく紹介します。
そもそも危険物とは、火災や爆発・中毒を起こす可能性がある物質をいいます。
種類は全部で6種類あり、酸化性固体・可燃性固体・自然発火が懸念される個体・引火性液体・自己反応性物質・酸化性液体をいいます。
危険物貯蔵庫に保管するには、法令や条例を満たした倉庫で許可を得る必要があります。
そのために普通の倉庫をそのまま使用という訳にはいかないのです。
危険物の種類として、酸化性固体などは可燃性が強く、摩擦や衝撃を受けたときに激しい燃焼をすることでも知られています。
可燃性固体のような、燃えやすい個体があり低い温度でも引火してしまうようなものもあるのです。
これらを保管するにはきちんとした対応をすることが大事であり、事故があると大きな被害が出ます。
きちんと手順を踏んで保管することが大事です。
危険物貯蔵庫近隣にある学校や病院などに対して保安距離の確保が必要
現代の生活には実に多くの危険物が近くに存在していて、その代表は可燃性液体に該当するガソリンや灯油などです。
これらは自動車の燃料で使われたり暖房機器の燃料に使われていますが、少量であっても着火してしまうと火事を引き起こしてしまうため、それが大量に保存されている危険物貯蔵庫には保安距離が法律で制定されています。
危険物貯蔵庫は大規模火災に発展する危険性が極めて高く、その予防措置で燃えにくい材料で建物を構築したり、その保管方法は厳しい基準が設置されています。
それと共に周辺への延焼を回避するため、多くの人が集まる施設近くに危険物貯蔵庫を建設できないよう規定しているのは、被害事項が生じた場合に被害者が多くなる危険性を持っているからです。
火災は炎による延焼が注目されやすいですが実際は燃焼する際に発生する有毒ガスが問題であり、毒性を含んだ気体は拡散する速度がとても速いことから、距離を保つ規定はとても重要だと言えるでしょう。
火は人間の生活をとても便利にしてくれましたが、その危険性については実際にその現場に遭遇しなければ理解が難しくなっています。
しかし、火災によって受けた人体の被害は重篤な状態にある可能性が高くなっているので、その危険性を抑えるための方策は常に行っていかなければいけません。
危険物貯蔵庫の延床面積は1,000㎡以下で貯蔵量に合わせた保有空地も考慮
危険物貯蔵庫は延床面積は1,000㎡以下で貯蔵量に合わせた保有空地が必要です。
危険物の指定数量も消防法で定められていて、指定数量以上の危険物を保管や取り扱いするときは危険物取扱者の資格も必須です。
例えば危険物貯蔵庫の指定数量の倍数が5以上で10以下だと、建物の壁・柱・床が耐火構造なら1m以上、それ以外だと1.5m以上必要です。
保有空地は火災が発生した場合で、消火活動と延焼防止のために貯蔵庫の周辺に設置する空地のことで、ここには何も置くことが出来ません。
これが必要なのは他にも屋外タンク・一般取扱所・簡易タンク・移送取扱所があります。
また、敷地内距離は、タンクの側板から敷地境界線までの距離のことで、隣接する建築物などの延焼防止のために設けるものです。
屋外タンクだと敷地内距離が義務付けされてます。
他にも似たものに保安距離がありますが、これは製造所などで火災や爆発が起きたときに保安対象物に影響が出ないようにするため、確保する一定の距離です。
危険物貯蔵庫に窓および出入口を設置する場合は防火設備としての機能が必要
危険物は燃料で使われるだけでなく、各種の製造工場における製造過程で利用されることが多い物品であり、幅広い分野で使用されています。
その利用方法で最も使われているのが燃焼であり、燃えることで発生する熱量やエネルギーが動力源になって機械を動かすことができるからです。
このような特性は他の物品でも行えるようになっていますが、その内容はそこまで大きな違いが無いことから、危険物貯蔵庫は特別な仕様で保管しなければ法令違反で処罰の対象になっています。
危険物貯蔵庫とは危険物に該当する物品を規定以上の容量を一か所で保管する場合に使われる施設であり、その利用は燃焼の危険性を常に考えなければいけません。
しかし、中に貯蔵されている危険物は利用に応じて移送されることになるので、その出入口については防火設備を常設したものである必要があります。
これが通常の出入口にしてしまうと延焼を食い止められないだけでなく、火災で発生した有毒性の高い気体が周囲に拡散してしまうでしょう。
出入口は燃えにくい素材で作るだけでなく、二重扉や火災を感知すると自動で閉鎖するような防火設備を施す必要があり、このような仕様については関連する法律でその詳細が決められています。
火災の影響は広範囲に生じることから、危険物貯蔵庫の管理者は正しい方法で防火対策の実施が求められます。
危険物貯蔵庫の費用を抑えることができるテント倉庫とは?
危険物貯蔵庫を建築する場合に出来るだけ費用を抑えたい時には、テント倉庫にすることで低コストで短期工期で制作出来ます。
法律上でも建築物として認められていて危険物貯蔵庫として使うことは出来ますが、実現する場合は面積・構造・使う部材などで必要な基準を満たす必要があり定期的なメンテナンスを行って性能を保つことも欠かせません。
テント倉庫の魅力は手軽さで、基本的に骨組みへシートを張るだけのシンプル構造、工期も短くて費用が安いです。
ただ、他の構造の倉庫と比べて耐用年数は短く、短い期間の保管に適してます。
骨組みをレール上で移動させてから折り畳める構造もあり、雨天時だけ張るといった使い方も出来ます。
ある程度は自由に組めてひし形・三角形などの敷地でも建築可能、軟弱な地盤でも杭工事が不要で建物自体の総重量が軽いので、直接基礎が建てられます。
室内も明るく昼間なら照明がいらないほど明るいのでランニングコストも抑えられて、温室効果で庫内は温かく冬場の電気代節約や解体や増設も容易いです。
小さい穴が空いたなど小さい規模の修繕はシールを貼るなどの簡単な修繕が出来て、申請や手続も割と早いです。